幸せの記憶



松ぼっくりのこぼれ種から


小さな可愛い芽を出す松

松の寿命は何百年もあると言われてますが


どの木にも

始まりがあり

終わりがある

それでも

命ってずっと昔から

受け継がれて来たんですよね。



日本からの一本の電話

「実はお祖母ちゃんの具合が悪くてね...」と。


今年の夏に日本に会いに行った時は

とても元気でした...。

この時すでに重度の痴呆症と病で

入退院を繰り返していたようですが
(知りませんでした。)

私が子供達と訪ねたときは

それを感じさせないほど

いつもの愉快な祖母ちゃんでした。

一緒に付いてきていた母は

その姿を見て

普段はボケてるフリをしているんじゃないか

と思うほどだったそうです。


私がアメリカに戻ってきてすぐ 8月に倒れて

その日から入院...。



今日 初めて知りました。
(心配かけないように配慮してくれたんだと思います。)

意識の無い状態が続いているそうです。

昨日 家族が呼び出され

延命治療をするか

自然に任せるかの判断を迫られ...


自然に任せると決断したそうです。


電話はそのことを知らせるものでした。




お祖母ちゃん子でした。

とても可愛がってもらいました。

編み物が好きでいつも何か編んでました。

釣りが好きでした。

小鳥が好きでした。

花が好きでした。

お寿司が好きでした。


大晦日はいつも

お祖母ちゃんちで紅白歌合戦を見ました。

お祖母ちゃんの作るお雑煮は

いつも餅が全部くっついてました。


私がアメリカにお嫁に行くと決めたとき

お祖母ちゃんは自分の着てる服を

どんどん脱ぎだして

何を始めたのかと思ったら

腹巻の中から

札束を出し、

私の手をぐっと握り

「これ持って行きなさい」と

渡してくれました。



今年の夏

お祖母ちゃんとの最後の会話

「今度はいつ来るんだい?」

首をかしげて微笑むことしか出来なかった...。


涙が止まらないよ。



でもさ。

私が子供だったときから

祖母ちゃん言ってたよね。

「曾孫の顔を見るまでは死ねない」って

叶ったよね。

幸せな人生だったんじゃないかな。



夏に初曾孫になる私の長男と

祖母ちゃんの「からみ」が楽しかったな。


じゃんけんしよう!


じゃんけん

ピース!

(チョキを出しながら)


アメリカ人の息子にも通じるギャグでした。




祖母ちゃん

今 残された時間の中で

何を思い出しているのかな。

どうか

最後の思いが


幸せの記憶でありますように。


本人にとっても 家族にとっても...。


じゃんけん


「ピース!」




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